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山中新太郎(やまなかしんたろう)
1968年神奈川県出身。
1992年日本大学理工学部建築学科卒業
2001年東京大学大学院工学系研究科建築学先行博士課程修了

2000年山中新太郎建築設計事務所 設立
2006年株式会社 山中新太郎建築設計事務所 設立

 
今回私たちは、武蔵小山に事務所を構え、建築家として活動されている山中新太郎さんをお訪ねしました。

わかりやすい例を交えて、楽しくお話を聞かせていただきました。
人との関係を大事に、何もないところから、ものをつくっていくことの楽しさを語る目に、山中さんの建築家という仕事に対する情熱を感じました。
  「小さい頃から建築家になりたいと自然に思っていた」
私の父親も建築家なんですよ。

小さいときから建築家になりたいというか、自然に思っていました。ただね、ひどい親だったということが後でわかってきて。
小さいときにね、僕はおもちゃを買ってもらえなくて、唯一買ってもらったのはダイアブロックっていう、レゴよりもさらにシンプルなやつでね。

あとテレビが壊れたときには、直してくれなかったんですね。ずっとテレビが見れなくて、おもちゃも与えられてない。楽しい遊びをしたくなったら、友達のところに遊びに行ってね。そこで遊ぶときは、人のおもちゃだから相手も気持ちよく自分も使えるように考えるから、コミュニケーション能力が鍛えられたんじゃないかなと(笑)

建築ってほら自分のお金で建てるわけじゃないから、コミュニケーションが必要で。
だからどうも僕が建築家になりたいと思うようになったのは作為的なんじゃないかと、大人になってから思うんです(笑)
「洞察力が大切」  
今は教える立場だから、学生時代自分がどうだったかはあんまり覚えてないけども

全ての課題に対してなんらかの問題意識をもってやろうとしてたのは間違いないですね。課題は考えるきっかけになるから、どう問題意識をもてるかが重要。

自然に見てるなかで、課題につながることがあると思う。
だから洞察力が大切だと思うんですよ、洞察力をいかにもつかが重要。 僕はそこに多少自信があって
皆さんと一緒に町を歩いたら、僕が見えてるのに皆さんが見えてないことってすごくたくさんある。

例えば当たり前に歯を磨いていて、何でこっちから歯を磨いてるのかなとか、何でこの歯ブラシ使ってるんだろうとか
この歯ブラシ自分にふさわしいのかなと思った瞬間に違う歯ブラシの可能性が生まれてくるわけでしょ。
 
「何もないところからつくるのが楽しい」

皆でアイディアを出し合って完成していく。
所内ブレスト(ブレインストーミング)って言って、皆で頭を使ってアイディアを出し合う。
こんなに言葉を使って設計をする人はあんまりいないかもね。僕らは言葉を介してこれは何だろうってずっと考え続けていて。

こういう風にしなきゃいけないってことではないんだけど、僕らはこういう風にやってる。スケッチみたいなものかもれないね。




「それぞれがプライドをもって仕事をする」
 
建築家になることがその人にいいかわからない。

野球だったら、自分は外野が向いてると思ってるのに、キャッチャーやれって言われてもできないよね。 その人それぞれの適正がでてくる。役割がある。
現場で職人と一緒に遅くまで作りあげるのがおもしろいとか、エンジニアとして設備とか技術で良い環境をつくるのが楽しいとか。

  勝ち残った人が建築家になってるっていうのは間違ってる。
建築家といわれて意匠デザインをするけども、構造家や、職人さんと組むと、自分の仕事をおもしろがってやっているからこそ、一生懸命一緒に仕事をしてくれる。
一緒に組んでてそれが楽しいんだよね。それぞれが自分達のプライドをもって仕事をすると、良いものができる。
「足りないっていいんだよ」
 立体を立体のまま見るのではなくて、切断した断面図にその魅力が現われることがある。
もちろん立体で考えられるから断面でも考えられるんだけど。

三次元を二次元にすると、情報が減るでしょ。情報が減った分さ、はじめて見た人は、想像力を膨らます余白が増える。
文章とかってそうじゃない、例えば俳句は文字数が少ないから、想像力をつくりだせる。シンプルなものほど、表現されてないことを補うことができる。

同じものでも、ごてごてに飾ってあったりしたら、君と僕は同じ感想しか持たない。足りないっていいんだよ、全部満ち足りてると何にもできなくなる。
山中新太郎氏率いる設計事務所